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コインランドリー経営で消費税の還付を受けるための条件

2023年4月25日
コインランドリーの写真

「コインランドリー経営で消費税の還付は受けられるの?」
「消費税の還付を受けるための条件を知りたい」
こんな疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。

コインランドリー経営をするなら、洗濯機や防犯カメラなどの初期投資が必要です。支払う消費税額が大きいため、還付を受けられる可能性が高いです。

本記事では、消費税の還付を受けるための条件について詳しく解説していきます。コインランドリー経営をされているや、これから始める方は、ぜひ参考にしてください。

消費税の還付とは

消費税の還付とは、預かった消費税額よりも支払った消費税額の方が大きい場合に、超過している分の返金を受けられる制度です。

コインランドリー経営では、洗濯機や防犯カメラなどの機器や設備の導入といった初期投資が必要であり、支払う消費税額も大きな金額になるため、還付金が戻ってくるケースが高いです。

開業1年目の例を見てみましょう。

売上 100万円(消費税10万円)
設備投資 3300万円(消費税300万円)
消費税 300万円-10万円=290万円

開業1年目は、消費税を10万円預かり、300万円の消費税を払っているため、290万円が還付されます。

消費税の還付金を受け取るための条件

消費税の還付金を受け取る際には、預かった消費税額よりも支払った消費税額の方が大きい以外に「課税事業者である」「(※1)原則課税を適用している」などの条件を満たす必要があります。課税事業者とは、下記のとおりです。

・前々事業年度の課税売上高が、1,000万円を超える事業者
・創業から2年度以内で、期首時点での資本金が1,000万円以上の事業者

税務署に「消費税課税事業者選択届出書」を提出して、課税事業者になる方法もあります。簡易課税は、仕入れの消費税額が売上の消費税額を上回らないため、消費税の還付金の対象外です。

(※1)原則課税とは、課税売上にかかる消費税額から、事業者が経費で支払った消費税額を差し引いて計算します

消費税の還付対象になるケース

消費税の還付対象になるのは、主に下記の3つのケースです。

・大幅な赤字の場合
・大規模な設備投資を行った場合
・輸出業を営んでいる場合

ひとつずつ見ていきましょう。

大幅な赤字の場合

課税売上が減少して売上よりも経費が上回れば、消費税の還付金が受け取れるケースがあります。事業で大幅な赤字を出していると、消費税の還付金を受け取れる可能性は高いです。

ただし、事業が赤字でも減価償却費や社会保険料など課税対象外の支出が多いと、消費税の還付にならない場合があるため注意が必要です。受け取った消費税と支払った消費税を計算して、2つの金額を比較して還付になるか確認してみましょう。

大規模な設備投資を行った場合

新しい事業を行うとき、設備投資として不動産や高額な機械を購入すると、支払った消費税額が大きく増えるため、消費税の還付金を受けられる可能性があります。また、売上が軌道に乗っていない状況では課税売上も高くないため、消費税還付を受けられる場合が多いでしょう。

ただし、下記の2つのケースは、消費税の還付対象外になりますので注意が必要です。
・不動産賃貸業を営んでいる場合は、家賃収入は非課税
・土地の購入

輸出業を営んでいる場合

消費税は日本国内での取引には課税されますが、海外で消費されるものには課税されません。海外への輸出の場合は、売上にかかる消費税は免税になります。

国内の取引で発生した仕入れや広告宣伝費などは消費税がかかるため、支払い部分にだけ消費税がかかり、消費税の還付を受けられるケースが多いです。免税取引の多い輸出業を営んでいる場合は、支払った消費税のほとんどが還付される場合があるといえるでしょう。

コインランドリー経営の節税対策

コインランドリー経営の節税対策では、下記の内容を解説します。

・即時償却
・税額控除
・小規模宅地等の特例

即時償却と税額控除は、中小企業の設備投資で優遇が受けられます。ひとつずつ見ていきましょう。

即時償却

「即時償却」とは、前倒しですべて経費計上をするという意味です。たとえば、3,000万円をすべて経費にできた場合、3,000万円×法人の実効税率35%=1,050万円分を節税できたといえます。

「例年よりも大きな利益が出た」または「業績の先行きに不安がある」場合は、即時償却が適しています。対象の条件は、下記のとおりです。

・資本金が1億円以下の法人
・従業員が1,000人以下
・青色申告をしている

税額控除

新規で設備を取得した場合に、取得価格の最大10%の税額控除が受けられます。たとえば、3,000万円すべてを対象とすると、10%の税額控除であるため3,000万円×10%=300万円の節税効果が期待できます。

突発的にその年だけ利益が出てしまった場合は即時償却にして、今後も安定した利益が確実に見込まれるなら税額控除を選択した方がよいケースもあるでしょう。即時償却か税額控除のどちらを選択したらよいか迷う場合は、顧問税理士に相談して決めましょう。

小規模宅地等の特例

コインランドリー経営は「小規模宅地の評価減の特例(※1)」を適用できるため、不動産経営よりも相続税対策として有効です。たとえば、空き地で1億円と評価されていた土地が、コインランドリーを開店させると2000万円の扱いになります。

店舗では、400㎡までの相続税評価額が80%軽減されます。アパートなどの貸付事業用地には、小規模宅地の評価減の特例が適用されますが、200㎡までで軽減率は50%です。コインランドリー経営の方が、不動産経営よりも節税効果が高いといえます。

(※1)アパートや店舗などを相続税支払いのために手放さないように、土地の相続税評価額を減額させるものです。

まとめ

本記事では、消費税の還付を受けるための条件について解説しました。コインランドリー経営で大規模な設備投資を行った場合には、支払う消費税額が大きいため、還付を受けられる可能性が高いです。

消費税の還付を受けられるのは、すべての事業者が対象ではなく「課税事業者」と「原則課税を適用している方」が対象です。預かった消費税より、支払った消費税の方が多いときに還付を受けられます。もし免税事業者である場合は、課税事業者になる必要があります。

新規で設備などを取得した場合に、即時償却か税額控除を選択して節税対策ができます。消費税の還付を受け取れるようにして、コインラインドリー経営に活用していきましょう。

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