コインランドリーに併設されているのはカフェだけじゃない?
暗い汚いというイメージのコインランドリーは消えつつあり、現在は清潔で明るい店舗へと変化しています。それと同時に、利用層も幅広くなり、より現代のニーズに合わせることが重要になりました。
コインランドリーの店舗数は年々増加しており、カフェ併設型など、他の店舗との差別化が必要です。コインランドリー経営を検討するうえで、押さえておきたい併設サービスについて説明します。
コインランドリーの歴史
コインランドリーが日本にやってきたのは、1960年代に入ってから。コインランドリー発祥の地とされるイギリスから、遅れること約30年が経ったころでした。
ここでは、コインランドリーの需要が、時代とともにどのように変わってきたかを説明します。
昔は銭湯併設型が一般的だった
日本に来て間もなくのコインランドリーは、銭湯に併設されていました。
当時はまだ家にお風呂がなく、銭湯に通うことが一般的でした。銭湯を利用している間に、コインランドリーで服を洗える便利さから、このスタイルがで定着したのです。[注1]
1980年代から単身者向けに急増
1980年代になると、都心で一人暮らしをする若者が増え、独立型のコインランドリーが普及し始めます。
洗濯機を置くスペースがなかったり、アパートの壁の薄さから夜中に洗濯ができなかったりする単身者を中心に、利用者が増えていきました。
現在はコンビニの数に迫る勢い
厚生労働省によると、コインランドリーの店舗数は2013年時点で1万6,693店舗と、2年前の2011年に比べて708店舗増えています。割合で言うと、約4.4%も増加しました。
その後、厚生労働省の調査記録はおこなわれていませんが、現在は2万店舗前後と推計されています。これは、大手コンビニエンスストアと同等の店舗数であり、コインランドリーの需要の高さがうかがえます。[注2]
コインランドリーのカフェ化
以前はコインランドリーの利用者は、単身者が中心でしたが、現在は20~60歳代まで幅広い年齢層・性別に利用されています。洗濯物を干して取り込む作業を短縮できるため、仕事の忙しい子育て世代や、高齢者にも人気です。
昔は暗くて汚いイメージだったコインランドリーは、清潔で明るい雰囲気へと変わり、より利用者ニーズに沿ったサービスへと変わってきています。
ここ2~3年注目を集めているのが、カフェ併設型のコインランドリーです。
今までのコインランドリーは、洗濯中は時間を潰さなくてはならないことが問題点でした。しかし、コインランドリーをカフェ化することで、洗濯を待つ時間も有意義なものに変わります。
コインランドリーのカフェ化は、利用者のニーズをとらえた画期的な方法でした。カフェ化に続いて、コンビニなどさまざまなサービスとの併設型コインランドリーが生まれています。[注3]
併設型コインランドリー
コインランドリーに併設されているのは、カフェだけではありません。たとえば、コンビニ・ガソリンスタンドなど、利用者にコインランドリーも同時に使ってもらえるシステムが始まっています。
コインランドリーを利用する主婦層も増えたため、子どもを連れて来店しやすいようプレイルームの付いたコインランドリーもあります。
今後も客層に合わせたユニークな併設型コインランドリーが増えていくかもしれません。[注4]
コインランドリーの差別化
コインランドリーの店舗数はますます増加しています。利用者の目的は、「洗濯をすること」ですから、コインランドリーだけのサービスでもよいように思えます。
しかし、店舗数が増えるなか、差別化を図ることが必要です。
併設型コインランドリーのメリットは、利用者の満足度を上げられることです。「どうせ洗濯するなら、カフェの付いたあのコインランドリーに行こう」と思ってもらうことで、新規利用者やリピーターを増やせます。
また、コンビニやガソリンスタンド併設型の場合は、ガソリンを入れに行くついでに洗濯もしよう、と利用者数アップを図れるでしょう。
コインランドリー併設差別化ポイントで利用率をアップさせる
カフェなどを例に出して説明いたしましたが、コインランドリーは、洗濯をするためだけの場所ではなくなりつつあります。利用者の満足度を上げるためには、他店との差別化ポイントを打ち出していくことが重要です。
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[注1]住生活新聞:真説 賃貸業界史 第25回「日本のコインランドリーの原型は70年前に誕生」
[注2]厚生労働省:コインオペレーションクリーニング営業施設に関する調査
[注3]J-Net21:市場調査データ コインランドリー
[注4]Rakuten Infoseek News:最近やたらとコインランドリー激増のワケ…家事時間短縮、新型店は「くつろぎ」の場所