コインランドリーの開業に資格は必要?何を準備すればいいの?
生活に密着したコインランドリーは共働き世帯の増加といった生活様式の変化に伴い、ニーズが高まっています。それを裏付けるようにコインランドリーの店舗も右肩上がりで増えています。コインランドリーの店舗が増えた要因に資格が不要で手続きも比較的簡単なため開業しやすいということもあげられます。しかし、開業までに必要なことはあります。
こちらの記事では、コインランドリーを開業するために必要なことや開業までの流れをご紹介します。必要な初期費用の金額や内訳についても解説しているので、参考にしてみてください。
コインランドリーの開業に資格は必要?
コインランドリーの開業にあたって、専門的な資格は不要です。他業種と比較すると、提出する書類も少ないため、比較的開業しやすい業種と言えるでしょう。
ただし、保健所の許可や各自治体への届け出が必要になる場合があります。衛生面における管理や、施設の基準などの決まり、看板の色合いや大きさの制限はあるため、事前に確認して準備をしましょう。
ちなみにコインランドリー事業とクリーニング事業を併せて運営するなら、クリーニング師資格が必要になります。クリーニング処理を行う場合、1名以上のクリーニング師を配置する決まりになっているためです
コインランドリーの開業に必要な準備
こちらでは、コインランドリーを開業するための準備内容についてご紹介します。
開業方法を決定する
開業方法は大きく分けて、自己経営とフランチャイズ経営があります。
自らが起業者となる自己経営は、経営に関する自由度が高いのが魅力です。ただ、自由度が高いゆえに手間や負担が増えます。例えば、出店場所の選定をはじめ、出店場所に適した機器構成や内装、集客方法などのマーケティングについて自分で決めることになります。
初めてコインランドリーを経営する方にとっては、難しく感じてしまうかもしれません。
一方でフランチャイズ経営の場合は、事業主と契約してチェーン店として経営します。自由度は低めですが、経営のノウハウを教えてもらえる、サポートが受けられる、すでにブランドの知名度があるなど、さまざまなメリットを得られます。
ただし、フランチャイズの加盟金や、開業後に定期的に支払うロイヤリティなどの費用が発生するケースが多いです。それぞれの特徴を理解した上で、自分に合った開業方法を選択しましょう。
店舗を選定する
居抜き物件の活用、所有地や所有物件の活用、物件の賃貸をするといったいくつかの方法があります。
立地の選定は非常に重要で、開業資金や開業後の売上を大きく左右します。
例えば、居抜き物件や所有地、所有物件を活用すると、開業資金を抑えられるでしょう。
また、周辺にどれくらいの人が住んでいるか、ファミリー層が多いのかといったことを考慮し、需要のある立地かを判断しなければなりません。
需要は見込まれるけれど、すでに最新の機械を取り揃えた競合店舗が存在する場合は、利用者の確保が難しくなる場合もありますまた、都心以外では駐車しやすい立地なのか、もしくは十分な駐車スペースがあることもポイントです。
採用や教育を行う
コインランドリーは、無人で運営できる営業形態です。そのため、経営者1人で運営可能なため、従業員の採用や教育は必ずしも必要なことではありません。
ただ、従業員が必要な場合は適切な人材を採用したり、教育を行ったりします。
マニュアルを準備しておくと、スムーズに業務が行えるでしょう。経営に専念したいなら、従業員の採用や教育は必要ですが、負担になることも多いです。
フランチャイズに加入している場合、研修やサポートを受けられたり、店舗運営や管理を代行してくれることもあり、負担が少ないことも多いのがメリットです。
開設届けを提出する
保健所に、コインオペレーションクリーニング営業施設開業届を提出します。
自治体によっては、ホームページから申請書をダウンロードでき場合ます。衛生管理責任者を記載する欄がありますが、先ほども述べたとおり、資格保持者でなくて問題ありません。
衛生管理責任者は、店舗に常駐したり近くに住んでいたりして、必要に応じて管理業務ができる者を指します。有機溶剤管理責任者を記載する欄もありますが、有機溶剤を用いた洗濯機を使用しないコインランドリー事業は、空欄で構いません。
書類を揃えて申請した後は、保健所の職員が店舗に来て施設基準を満たしているか確認します。開業に必要な許可がもらえるのは、保健所職員による検査が済んでからです。
コインランドリーの開業に必要な資金
小型店舗か大型店舗か、プレハブ型の店舗かによっても変わってきますが、コインランドリー開業の初期費用は2,300万~4,000万円が目安です。内訳は以下のとおりです。
内装工事費
もともとの状態や広さにもよりますが、800万~1,500万円が目安です。
電気工事や給排水工事、ダクト工事など、開業時には店舗の内装工事が必要です。壁や天井、床の仕上げ、照明器具の設置など、店舗内をきれいに内装するための費用もかかります。
店舗を借りて開業する場合、もともとの内装を生かせれば工事費用を抑えられますが、スケルトン状態からの内装工事だと費用は高くなるでしょう。
機器購入費
開業資金の中でも大きな出費となるのが機器購入費です。
導入する台数や機種によっても変わりますが、1,300万~2,300万円が目安です。業務用の洗濯機や乾燥機は高額なため、台数を増やせばその分費用も高額になります。
ただ、費用を抑えようとして中古の機械を導入するのはおすすめしません。機械は経営の要となるため、費用を削るなら他の方法を検討しましょう。
店舗の広さに合わせて、洗濯機や乾燥機の台数を調整します。ファミリー世帯や単身世帯といった利用者層に合わせて、適切な大きさの洗濯機を導入することもポイントです。
また、両替機も必要です。
コインランドリーは無人になることが多く、両替機はセキュリティ対策がされているものを選ぶようにしてください。
広告宣伝費
開業時には知名度を上げるために大々的に宣伝します。
集客するためには、まずは周辺住民にお店の存在を知ってもらう必要があるからです。
広告宣伝費としては、100万円程度を見込んでおきましょう。具体的には、ポスティングや折り込みチラシ、駅貼りポスター、ホームページの作成が挙げられます。チラシは経営者自身が手配することで、費用を削減できるでしょう。
その他
フランチャイズに加盟する場合は、加盟金や研修費などが必要です。
ただし加盟金なしの事業主もあります。また、看板やのぼりの購入費用や、想定外の費用などが発生することもあるため、その他の費用として100万円程度用意しておくと安心でしょう。
まとめ
コインランドリーの開業は、資格がなくてもできます。
ただし保健所の許可は必要です。事前に届け出をして、店舗での立ち会い検査をしてから許可をもらいましょう。自己経営かフランチャイズ経営かによって、経営方法や経営者の負担などが変わってきます。自分に合った方法を選びましょう。
開業の際には立地場所も重要なポイントです。初期費用は店舗の大きさなどによっても変わってきますが、高額になることもあります。開業は計画的に行いましょう。